第1章・松本拓也視点

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いつも遅くまで仕事するあたしには珍しく、その日は仕事夕方上がりだったのよね。 たまたまマンション近くに用事があって歩いて行って歩いて帰ってきていたの。もうすぐ駐車場ってところでうつ向いて帰る美和があたしにぶつかったわね。 お母さん呼ぼうにも携帯の電池少なくてメガネ店に寄らずに帰ってきたって? もっとも美和1人で寄ったとしてもメガネを買うだけのお小遣いは持ち合わせていないだろうし… おせっかいよね、あたしって。 ミエルメガネまで連れて行ってメガネ代金払ってあげて、泣きそうな美和だったから咄嗟にリボンを買いに行ったっけ。 『何があったの?』 って聞いても頑なに言おうとしなかった! 頑固者よね… メガネがない顔はますますお父さん似だと実感する。 色ゴムで髪を2つに束ねていないでリボンでかわいく見せなさいよ… もったいない! せっかくイケメンなお父さんに似てるんだからもっと自分磨きしたらどう? その後、美和の両親に感謝されちゃってメガネ代金をもらったけど。 そんなに感謝されるとあたし照れ屋だから顔が赤くなるのよね。 明太子やご当地セット等を通販で買ったりして、 美和の家にお裾分けに持っていってただけの付き合いだったけど。 思えばここから美和の両親とも関わる事になるのよ。 懐かしいな… ↑ 【懐かしい、って松本さんが思う程に今はお互いに少し親しげに話してる。 本当に思えばここからが始まりだったかな。 松本さんの運転さばきに惚れ惚れ(*^^*)するね!】
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