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こまったなぁと蒼一郎さんが呟いた。
「ここまでやるつもりじゃなかったんだけどな。」
そう言って少し眉をよせながら笑う。
俺はずっと思ってたいたことを口にした。
「あの、お、男同士、とか、その、嫌悪感とか、ないんすか??」
『男が男を好き』
ちょっと前の俺には無縁の話だった。
けど。
今は怖くてたまらない。
蒼一郎さんに嫌われるのはどうしても避けたいんだ。
「それは真夫くんにも当てはまる質問だねぇ。
真夫くんは、俺でいいの??」
「違い、ます!!!!
蒼一郎さん『が』いいんです!!!!!!」
何を言うんだ、俺はもう蒼一郎さん以外にはありえない。
一時はこの人が結婚しても、俺はずっと好きだと諦めたときもあるくらいなのに。
蒼一郎さんがふふっ笑って、俺の頭を優しくなでた。
「一緒だねぇ。
俺も真夫くん以外はありえないよ。」
目を見てそう言われると、もうどうしようもない。
赤くなった顔を蒼一郎さんから背けるように下に向ける。
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