名前を呼ぼう

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周りからは、分かりやすすぎて、焦ったい二人がやっとくっついた、と言われる。 葉月の恋人、日樫委員長…あ、元委員長か。 彼に言わせると、俺もアイツも素直じゃないようだから、 「面倒くさい二人だね?」 っていつも言われてた。 「つか、さぁ、柚樹はいつになったら俺のこと名前で呼んでくれるんだよ?」 口元に悪い笑みが浮かんでいる。 そう、俺は何だか気恥ずかしくて、先輩後輩から急に近くなった距離感に未だ戸惑っていた。 「おい」とか「お前」とか…つうか、俺って何て生意気な後輩なんだよ…って今更か… 眉間に皺を寄せ、そっぽを向く。 憧れたその背中にようやく追いつけたと思ったのに、素直になれない俺は相変わらずだった。
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