59人が本棚に入れています
本棚に追加
周りからは、分かりやすすぎて、焦ったい二人がやっとくっついた、と言われる。
葉月の恋人、日樫委員長…あ、元委員長か。
彼に言わせると、俺もアイツも素直じゃないようだから、
「面倒くさい二人だね?」
っていつも言われてた。
「つか、さぁ、柚樹はいつになったら俺のこと名前で呼んでくれるんだよ?」
口元に悪い笑みが浮かんでいる。
そう、俺は何だか気恥ずかしくて、先輩後輩から急に近くなった距離感に未だ戸惑っていた。
「おい」とか「お前」とか…つうか、俺って何て生意気な後輩なんだよ…って今更か…
眉間に皺を寄せ、そっぽを向く。
憧れたその背中にようやく追いつけたと思ったのに、素直になれない俺は相変わらずだった。
最初のコメントを投稿しよう!