名前を呼ぼう

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「……あ、あのさっ!」 「ん」 「今日、付き合ってくれてありがと…」 「…どーいたしまして。それより、着替えて飯食いに行かね?」 「え?あ、うん…」 アイツは俺の返事に満足気に口元を緩めると、後片付けをするべく俺から離れて行った。 「あ、だ、大椰っ!!」 反射的に名前を呼んでしまい、思わずハッとした。 「や、な…んでもねぇっ!!」 「あっそ…」 振り返ったアイツの表情が一瞬驚いているように見えた。 いつも不敵に笑うその笑顔も、今日は何だか柔らかい雰囲気がしていてた。 <了>
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