第1章

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「あのね、もしかしたら、あの中にUMAがいるかもしれないよ。お友達になれるかもだよ!」 「...いるわけねーつってんだろ」 「ううん。いるんだよ。俺、見たことあるもん。あのね、この前ケセランパセランがね...」 ほら、と言って両手を差し出してくる。 タンポポの綿毛みたいな、ふわふわと白くて丸いやつ。 これがケセランパセランとか、馬鹿かコイツ。 ますます苛立ちが募り、無視して歩き出そうと思ったが... ふと差し出された両手、制服の裾から覗いた手首が視界に入った。 「これがね、この前ふわふわと飛んでたんだよ。捕まえるの大変だったけど、頑張ったんだあ」 固まっている俺に気付かず、サトルはヘラヘラと笑いながら、得意気に胸を張る。 いや、待て。 ケセランパセランは、どうでもいい。 「...おい、何だこれ」 ぐい、とサトルの手を掴んで上に上げると、その白くて、細い手首が露わになった。
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