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幼いころからコイツを知っているが、いっつもヘラヘラしてるくせに、時折こんな風に俺の機嫌を伺って、不安そうな顔をしやがる。
そして、俺は多分、そんなコイツのことが放っておけないんだと思う。
目を離すと、すぐどっか行っちまうような奴だからな...
「...別に怒ってねーよ」
「本当!?良かったあ。あ、このケセランパセラン、あっ君にあげるよ」
「いらねー...」
途端に嬉しそうに破顔するサトルに、思わず苦笑いを浮かべてしまう。
「えっとね、じゃあ、この前見つけた...」
「いらねーから。そんなことより早く行くぞ」
「あ、うん!」
元気よく頷き、俺の後に忠実に付いて来る様は、まるで犬のようで。
「あっ君、あのね、あっ君は、優しいね。大好き!」
馬鹿だし、トロいし、ウザい奴だけど...
それでも、今日も俺はコイツを無碍には出来ないのだと、溜め息混じりにそう思ったのだった。
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