人斬り

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人だかりに近づくと、怒鳴り声が聞こえてくる。 「てめぇが ぶつかって来たんじゃねえか!」 「なんやて?俺は避けたのに、おめぇが、勢いよく突っ込んできたからやろがっ!」 さらに近づくと、あたりには、何やら不思議な匂いが漂っていた。 不快な匂いではないのだが、甘いようなしょっぱいような、なんとも形容しがたい香りだった。 何が起こっているのか 確認しようにも、道いっぱいに 人が立っていて通り抜けることができない。 義靖は、つま先立ちをして覗いてみた。 しかし、見えるのは人の頭だけだった。
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