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義靖は 思った。
仲裁に行ったほうがいいのだろうか、と。
町の秩序を守ることも、一応 新選組の仕事である。
しかし、こんなに人がいたのでは 近づけないし、そもそも、自分ひとりで説得できるのだろうか。
トシさんなら きっとうまいこと収めてくれるだろうけど………。
義靖が悩んでいると、
「道を開けろ!一体何があった?」
と、大きな声が聞こえた。
振り向くと後ろから、役人とおぼしき男たちが数名、こちらに向かってきていた。
助かった。
喧嘩の仲裁は、彼らに任せよう。
「ちぇっ!もう来ちまったのかい、つまんねぇなあ」
隣で、鳶の男が悔しそうにしていた。
義靖は思わず苦笑いした。
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