饅頭と鬼

2/11

450人が本棚に入れています
本棚に追加
/655ページ
ゴーンゴーンゴーン 昼八ツを知らせる鐘が鳴る頃。 「そろそろか」 新入隊士の名簿を整理していた土方歳三は、独り呟いた。 三番隊が巡察から帰ってくるころだろう。 あいつがやってくるまでに仕事を終わらせなくてはならない。 奴が来ると仕事にならない。 ふう、と一息つくと、土方は筆を持ち直した。 新選組副長になってからというもの、机に向かって仕事をすることが多くなった。 悪さをしに田舎道を嬉々として歩いていた試衛館時代が懐かしい。
/655ページ

最初のコメントを投稿しよう!

450人が本棚に入れています
本棚に追加