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「なに考えているの?」
『いや、いつまでもこの時間が続けばいいと、考えていた』
「時間が戻ればいいのにね・・・」
『泣くな、涙を流すと別れの時間が早くなる』
「ごめん・・・」
しずくは涙を堪えているのか、震えが伝わって来る。
どうしてこんな出会い方をしてしまったのだろう・・・
きっかけは、些細なものだ。
あいつが、この部屋を出て行ってしまったからだ。
いや、出て行ったのが直接の原因ではないな。
あいつが俺に、きっちりケジメを付けないからこうなったんだ。
だが、俺は今のこの状況、まんざらでもないんだ。
過去にも、何度かこういう事はあった。
しかし、朝になると決まってあいつが邪魔をするんだ。
あいつと俺は恋人でも何でもないのにだ。
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