第1章

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先にプレゼントを渡したいと言った柚木は、一旦部屋から出て行ってしまった。 そして、数分後戻って来たその姿に、俺は愕然とする。 「メリークリスマス!」 白い袋を持ったやたらとイケメンのサンタが、俺の前に立っている。 柚木。 お前。 「……………コスプレが趣味だったのか…………」 真っ赤なサンタの服を身にまとった柚木は、赤い三角の帽子を頭に乗せながらニコニコと微笑んでいる。 この純真無垢な笑顔に、俺がかけてやれる言葉はなんだろう。 とりあえず。 「ごめん。ちょっと引いたわ」 「ぇえ!?先輩ぃーーーー!!」 いや、だって俺。 そういうの無理、恥ずかしい。 いくらお前が格好良くて大好きな奴でも、それとこれとは話が別だし。 だからって、お前の趣味を否定するわけじゃないぞ? そういう所をひっくるめて、全部好きなんだから。 けど。 なんかもう、むず痒い。 恥ずかしい。 「とりあえず、脱げ柚木」 「ダメですよ、先輩!だってまだ何もしてない!」 何も、って。 ナンデスカ??
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