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「君って奴は本当に‥‥」
「良いんですよ、気にしないで下さい。」
映画のチケット売り場を前に少しだけあきれた俺ににっこりと笑顔を向ける彼は、中々計算高い奴なのかもしれない。
「俺が年下に払わせたままにしておける訳がないだろ‥‥」
トイレに行くと言っておいて、会計を済ませていたなんて煙草を吸う時間さえ、気を抜けないと反省した。
「借りは返したいタイプなんです」
好みの映画を指定して金を出し、そう言い残した彼はさっさと飲み物を買いにいってしまった。
『大人二人で宜しいですか?』
スピーカーからの声に首を縦に振って答え、財布からカードを出しチケットを受け取り彼の並ぶ売店へと向かった。
「ポップコーンとコーラ2つ」
指を2本立てた彼の横に並び、先ほど出された現金を置く。
「‥‥え?」
「俺も借りは返すタイプだ‥」
そう言えば
「いつまでも続いちゃいますよ」
と、笑ってみせる彼が財布から足りずの現金を支払った。
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