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暗がりに並ぶ座席へと向かう。 平日の昼間ともあって、人は少なく 背の高い俺は迷惑に成らぬよう後ろの席を指定したにも関わらず、片手で数えきれる程しか居ない人数に溜め息を着いた。 「要らぬ心配だったな‥‥」 「いえ、僕もいつも後ろに座りますよ‥部長とは意味合いが違いますがね?」 座席の間をすり抜ける彼を見ながら、 中々気の回る奴だな‥‥なんて少しだけ感心してしまう。 ----- 何故、こんな映画を選んだのか‥‥ 「ひぃぃぃぃ!!!っわ、っ」 両手で顔を覆っては、僅かな隙間からスクリーンを見詰める彼の指定したのはホラー映画だった。 「ーーーっ、ひっ!」 見たいのか、見たくないのか‥‥ 両手で耳を抑えたり、顔を覆ったりしながら忙しくする姿は謎に近い。 スクリーン上では静かに扉へとカメラが向かう‥‥ きっとこの後それらしき物が出てくるんであろう。 そんな予想がつくシナリオにも関わらず、隣では小さく肩を震わせる彼に思わず笑ってしまった‥‥
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