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「ぶぶぶぶ、ぶちょ‥‥っぅ‥‥」
暗がりにでも解る大きな瞳がゆらゆらと揺れる
今にも泣き出してしまいそうなそんな顔を見て‥‥‥
ヤバイな。
僅かに反応を示す自身を横目に撫でる手を引いた。
このまま続ければ、要らぬ思いが沸き上がりそうで‥‥
明日から会社にも行けなくなるのは少し困る。
ゆっくりと下がる手
「ぎゃっ!!!」
大きな破壊音に反応した彼の両手が俺の手を掴み引っ張った‥‥
「おい‥‥」
止めとけよ‥‥
自覚が無いにしても、少し厄介だ。
「ひっ!すいっまぜん‥‥」
いつの間に涙を流した彼が強く手の甲に顔を押し当て、逃さないとばかりに引っ張った‥‥‥‥
「‥‥お前が、悪い‥‥」
「‥‥‥‥ぇ」
小さな囁きは彼に届いたのか‥‥
濡れた頬を拭う指先で顎のラインを撫で、驚き戸惑う瞳に近付いた。
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