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結局、それ以降叫ぶ事もせず俯いたままの彼の横、平然と終わりを迎えた。
「さ、じゃぁな‥‥」
俯いたままの彼の頭を眺め、
別れの挨拶をする。
「‥‥‥‥飯」
「は?」
「このまま別れたら、‥‥明日から部長の事見れません‥‥」
「はぁ‥‥」
「責任取って、飯行きましょ!」
「‥‥‥‥‥‥」
何とも、
「ね?」
変わった奴だ。
にっこりと笑顔を作り前を行く彼の背中に溜め息をついて、
仕方ないか‥‥と後を追った。
ぎこちなさを誤魔化す為か先程よりもよく喋るのを半分聞き流しながら、
夕食には早い時間をだらだらと歩いて過ごした。
「あ、あれっ!見て、可愛い!」
ピョンと跳ね、いつの間にか姿を消した彼はペットショップの前、篭に入ったミニ豚に話しかけていた。
「珍しくないですか?」
今の現状が解っていないのか、忘れたのか‥キラキラと輝く瞳を向けた彼から少しも嫌悪感なんて感じなくて、気が抜けた‥‥
「ほんと、可愛いな‥」
「ですよね?」
ブーブー‥‥と話し掛けながらニコニコと過ごす彼に向けた言葉さえ、きっと理解しては居ないだろう‥‥‥‥。
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