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私は携帯を取り出して、写真を撮ろうとした。
そういえば、電話出来ないのだろうか。
携帯の電源を入れる。
あ、入った。
電話番号入れてみる。
トゥルルルルル。
マ・ジ・で?
「もしもし、まゆ~?今休み時間なんだけど、あんた何か気がついたら居なかったんだけど、どこいったの?」
え、マジ?マジなの?
携帯って繋がるの!?マジ!?
しかも日本と!!!
「マジか!!!ヤっバイ繋がった!!!やったやった!!!よっしゃっ!!!
もしもし!梓!!
私何か変な所に気がついたら飛んでて、何か変な集団がいっぱい居てさ!………
どうしよ。」
そういえば繋がっても無意味なんだった。帰り方どうせわからないし。
電話しても、何してるか分かるだけじゃん!
と思考錯誤してる時に返事あり。
「え、知らないよ。
まず地名は?」
「ラキソフロリアだって。」
「そんな場所無いよ。」
「だよね。どうしよ。帰れない。ここの住人魔法飛ばしてるし。周り本物のペガサスとかいるし龍居るし壮大だし。剣持ってるしマントしてる人いっぱい居るし。」
梓から返事が途絶える。少し考えてくれているのだろうか。
「………あぁあ。あれじゃん。現実ではあり得ないけど、ファンタジーの世界に転生か、転移でもしちゃったテンプレですか。」
テンプレ?ってなに?
転生?まだ生まれ変わってないよ。
とりあえず、転移?……かもしれない。
でも、よくわからん。
私は思考を中断させ、梓に質問という丸投げをする。
「なにそれ。」
「んー、皆が考えるファンタジーの世界と同じ世界?小説とかであるやつ。同じ方法でそちらに行って、同じ方法で生活する感じ。喜べ、あんたは最強主人公だ。」
「意味がわからん。」
最強主人公とか言われてもねぇ。
今のところ魔法なんて使えないから最弱主人公だよ。
それに今の状況みたいな物語を考える人が沢山居るのか。世の中には物好きが多いものだ。
いや、他人の不幸は面白いものなのか。じゃあ、今誰か読者がいるのだろうか。
とか達観しているうちに梓が返事をくれる。
「戻れるのかねぇ。何かテンプレではなれてきた頃くらいに家族に会えるパターンらしいけどねぇ。」
「なるほど。それまで待てと。」
「そうだねぇ~。」
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