召還

7/15

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「ほら、こっちに来い。」 「…。」 フレイスは私の肩を抱き、隠すように端に歩いていった。 周りの生徒?らしい人達がこちらを見て話し込んでいる。 やっぱ使い魔とか言うやつが人間って言うのはあり得ないのだろうか。 ってか人間って弱いよね。知恵があるだけで。 グリフィンとか強そうだし。 何か隠すように歩いてるような気がするけど、人間が使い魔が恥ずかしいのだろうか。 それとも私に気を使ってるのだろうか。 まぁ、じろじろ見られるのは得意ではないし。嬉しいっちゃ嬉しいのだが。 恥ずかしい。端から見たらカップルなのではないだろうか。バカップルなのではないだろうか。 近い近い。 ちょちょちょっ、恥ずかしすぎる。 赤面してるかも私。 ううぅ。 そうこうしているうちに、端までたどり着いた。 「とりあえず座るぞ。」 「うん。」 隣り合って座ったあと、フレイスが話し出した。 肩から手が離れてホッと一息。 「とりあえずここの紹介とかでもするか。名前は言ったから。良いよな?」 「うん。」 ギクシャクした会話。 会ったばかりだから仕方ない。 「まずここはマリアナ魔法学園。魔法って名前についてるが、魔法だけ学ぶわけではない。」 私は黙って聞いてられなかった。 「魔法って?!本当に魔法なんか使えるの!?魔法なんて存在しないのが当たり前じゃなかったの!?」 フレイスに呆れた表情をされる。 「何言ってんだ?魔法はあるに決まっているだろう。」 「え、あるわけないでしょ!魔法なんて!私も出したことないし!」 「………。」 フレイスは黙って私をじっと見た後、目をそらし、 掌を上に向けて、火をつけた。 火をつけた。 また大事だから二回言いました。 「…………。」 これは現実ですか?マジックじゃないのですか? 掌上10cm位のところを10cm位の大きさの火の玉が浮いてます。 火が浮いてます。燃えてる源の素材無しです。酸素だけで燃えてます。ガスもありません。 …………何これ。火が浮いてる。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加