召還

9/15

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「………こっちの世界に来て変わっていくんじゃないか?」 その可能性もあるけど、魔法なんて全然分かんないもん。目の前でマジック見せられてる感じ。多分練習しても出来ない。 「そうかも。でも当分は私の得意分野位しか使えるものはなさそうね。」 「得意なもの?」 「勉強は得意。他はお菓子作り。」 「…………それだけ?」 「何よ、戦えねぇのかよみたいな目しちゃって。」 「いや、すまん。」 「やっぱり思ってたんだ。」 フレイスは目をそらして明後日の方向を向いている。 「それだけじゃない。でもこっちで通用するか分かんないわよ。」 「戦いでは何が使えるんだ?」 「素手、木の棒、剣、一番良いのは刀かな。」 「…あぁ。東洋の。」 え、あるの? 「こんなファンタジックな世界に刀なんてあるの!?」 「ふぁんたじっく?」 「西洋系って事よ!」 違うけど! 「あぁ確かに西洋系だな。それはここでも売ってる。」 「マジか!」 刀があるなんて。これは是非とも見学に行かなければ。 「当分はこれでも使うか?」 と出してきたのは洋風の剣。 柄には滑らないように先端が広がっており、根元は装飾で飾られている。 剣の部分は白銀色で、剣の刃の部分は鋭い。 その柄の部分を掴み、髪の毛を一本切ってみた。 スルッと切れて、髪の毛が引っ張られる感じがなかった。 …………切れ味抜群。 ってか恐ろしい。 これ切られたのにも気づかないとか言う剣じゃないのか。 「って何やってんだ。」 慌てて取り上げられた。 切れ味みただけなのに。たかが髪の毛一本なのに。何を慌てているのか。 逆に慌てて取り上げるとそれこそ危ない気がする。誤って手か大量の髪の毛が切れるぞ。 「何を慌ててんのよ。」 「自分の体で切れ味みんなよ。ビックリしたじゃないか。」 「別に髪の毛位普通でしょ。」 「………そういうものなのか?」 「何よ、あんた普段切れ味何でみてんのよ。」 「紙とか木とか訓練所とかで、切れ味はみるな。これは木で試した。」 「そう。これさぁ、切れ味良すぎてヤバくない?」 「何がだ?」 「その気無くても自傷行為が起こるわよ。いつ切れたか分からなさそう。」 「まぁ、業物だからな。」 「へぇ。これ、貸してもらって、あんたどうすんの?」
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加