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「………こっちの世界に来て変わっていくんじゃないか?」
その可能性もあるけど、魔法なんて全然分かんないもん。目の前でマジック見せられてる感じ。多分練習しても出来ない。
「そうかも。でも当分は私の得意分野位しか使えるものはなさそうね。」
「得意なもの?」
「勉強は得意。他はお菓子作り。」
「…………それだけ?」
「何よ、戦えねぇのかよみたいな目しちゃって。」
「いや、すまん。」
「やっぱり思ってたんだ。」
フレイスは目をそらして明後日の方向を向いている。
「それだけじゃない。でもこっちで通用するか分かんないわよ。」
「戦いでは何が使えるんだ?」
「素手、木の棒、剣、一番良いのは刀かな。」
「…あぁ。東洋の。」
え、あるの?
「こんなファンタジックな世界に刀なんてあるの!?」
「ふぁんたじっく?」
「西洋系って事よ!」
違うけど!
「あぁ確かに西洋系だな。それはここでも売ってる。」
「マジか!」
刀があるなんて。これは是非とも見学に行かなければ。
「当分はこれでも使うか?」
と出してきたのは洋風の剣。
柄には滑らないように先端が広がっており、根元は装飾で飾られている。
剣の部分は白銀色で、剣の刃の部分は鋭い。
その柄の部分を掴み、髪の毛を一本切ってみた。
スルッと切れて、髪の毛が引っ張られる感じがなかった。
…………切れ味抜群。
ってか恐ろしい。
これ切られたのにも気づかないとか言う剣じゃないのか。
「って何やってんだ。」
慌てて取り上げられた。
切れ味みただけなのに。たかが髪の毛一本なのに。何を慌てているのか。
逆に慌てて取り上げるとそれこそ危ない気がする。誤って手か大量の髪の毛が切れるぞ。
「何を慌ててんのよ。」
「自分の体で切れ味みんなよ。ビックリしたじゃないか。」
「別に髪の毛位普通でしょ。」
「………そういうものなのか?」
「何よ、あんた普段切れ味何でみてんのよ。」
「紙とか木とか訓練所とかで、切れ味はみるな。これは木で試した。」
「そう。これさぁ、切れ味良すぎてヤバくない?」
「何がだ?」
「その気無くても自傷行為が起こるわよ。いつ切れたか分からなさそう。」
「まぁ、業物だからな。」
「へぇ。これ、貸してもらって、あんたどうすんの?」
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