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白いベッドの上で、横たえられた彼女はマネキンのように動かない。
細い手首に繋がれた点滴のチューブが絶えず生命活動に必要な栄養を送り込んではいるが、もう意識を手放してから一週間、彼女は寝たきりだった。
彼女――三神梨花は神社庁の機密機関、心霊対策特別派遣処理班、通称特派の一員だった。戦闘員として魔性と戦う第一線に身を置き、そして十日前の樹海戦争で家族を失った。
自殺の名所となってしまった富士の樹海の大規模な除霊作戦に中国地方から召集され、梨花と仲間たちは戦った。けれど予想外の敵に圧倒されかけ、梨花の兄は彼女を逃がすために命を絶った。別な班を率いて戦っていた父も、味方を逃がすために戦い、壮絶な最期を遂げたという。
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