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「朔、今日はあそこのゲーセン行こうぜ!」 赤澤 戒人[あかざわ かいと]が俺を誘う。特に断る理由もなかった俺は赤澤の言うゲーセンに行って適当なゲームを選んでプレイした。 まず初めはレースゲーム。 小学生の頃から、これは赤澤とずっとプレイしてきていた。 「今日は負けねぇからな!」 …一応言っておくと、赤澤はこのゲームで俺に勝ったことはない。赤澤はそんなに賢くないから攻め方が単調なんだ。ずっと赤澤と戦っている俺としては、またいつものパターンか、程度にしか思わない。 「攻め方変えなきゃ勝てないよ」 俺は親切心から赤澤に忠告してやる。負ける気なんて毛頭ないけどね。 そして数分後。 「あぁーっ!やっぱり勝てねぇよ!朔強すぎ!」 「赤澤が弱すぎるんだよ」 何周かプレイしたが赤澤はついに俺に1回も勝てなかった。こうして俺の無敗記録がまた少し伸びたわけだ。 「今度はこっちのホッケーやろうぜ!」 赤澤の体力は尽きるところを知らない。 もうしばらくはこうやって赤澤ペースでゲームが選ばれていくんだろう。
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