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どんなに赤澤に誘われようと俺は揺らがない。 だって今年の目標は夏のコンクールで金賞を取ること。生半可な覚悟じゃ望めない大舞台で最高の演奏をして最高の成績を収めなくちゃいけないんだ。 「朔、本当に部活やんねーの?」 「ちょっとやりたいことあってさ、悪いな」 赤澤にもきっとこの話をすることはないだろう。別に赤澤はバカにすることはないだろうけど話す必要のないことだ。 結局俺たちはお互い当初の予定通りの希望部活となった。 赤澤はバスケ部、俺は帰宅部。 まぁ帰宅部も何も部活に入らなかっただけだけどね。 バスケ部は早速今日から新入生も含めた練習が始まるらしい。 俺は早々に1人で帰路に就く。 そっとイヤホンを耳に押し込み手持ちの音楽プレイヤーで音楽を再生する。ミュージックはシャッフル設定、自分の好きな曲が適当なタイミングで流れ出す。ピアノをやる以上クラシックやジャズは定番でよく聞くが、ロック的なものも俺はよく聞いた。偶然流れ出したのは今推しているバンドの曲。 今日は少し、楽譜でも見て帰ろうかな。 俺は少し家から遠回りするようにして学校を後にした。
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