59人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋に備え付けの冷蔵庫からビールを取り出し、由奈と乾杯する。
由奈が歌っている曲はどれも聞いたことがない。だが、テンポのいい歌ばかりで、俺も自然と盛り上がる。
恐らく由奈も俺が歌っている曲は知らないだろう。だが、由奈は楽しそうに俺を見ていた。
数曲歌い終えた後、由奈は俺に「長岡さん、お風呂できましたよ」と普通な感じで言った。
「風呂?いつの間に準備したの?」
「さっき手洗いに行った時ですよ。ちょうど曲も切れたし、一緒に入りませんか?」
「いいね。一緒に入ろうか」
由奈なりの冗談だと思った俺は軽く答えた。
「じゃあ、一緒に行きましょ」
由奈はそう言って俺の手を掴んだ。
冗談じゃないのか?
俺の鼓動が急に高鳴る。
そうだよな。ここはカラオケボックスじゃなくてホテルだった……
「長岡さん」
由奈はゆっくりと俺にもたれかかった。
最初のコメントを投稿しよう!