由奈との一夜

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部屋に備え付けの冷蔵庫からビールを取り出し、由奈と乾杯する。 由奈が歌っている曲はどれも聞いたことがない。だが、テンポのいい歌ばかりで、俺も自然と盛り上がる。 恐らく由奈も俺が歌っている曲は知らないだろう。だが、由奈は楽しそうに俺を見ていた。 数曲歌い終えた後、由奈は俺に「長岡さん、お風呂できましたよ」と普通な感じで言った。 「風呂?いつの間に準備したの?」 「さっき手洗いに行った時ですよ。ちょうど曲も切れたし、一緒に入りませんか?」 「いいね。一緒に入ろうか」 由奈なりの冗談だと思った俺は軽く答えた。 「じゃあ、一緒に行きましょ」 由奈はそう言って俺の手を掴んだ。 冗談じゃないのか? 俺の鼓動が急に高鳴る。 そうだよな。ここはカラオケボックスじゃなくてホテルだった…… 「長岡さん」 由奈はゆっくりと俺にもたれかかった。
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