59人が本棚に入れています
本棚に追加
「由奈ちゃん、大丈夫?」
この状況で大丈夫はという言葉はないだろうが、つい口にしてしまった。
「疲れたのかな。ゆっくりお風呂に浸かりたい気分。長岡さんと一緒に」
俺にもたれ掛かったまま由奈は甘えた声で言った。
どこまでがセーフで、どこからがアウトなのか。一線を越えるラインはどこなんだろうか。
由奈は一線を越えるつもりで誘っているのだろう。
俺は……
「長岡さん?」
「ああ、俺も疲れたな。一緒に入るか」
俺の返事に由奈は顔を上げた。
「長岡さんって、なんか面白い」
「どこがだよ」
「アパートのお風呂は狭くて。ここのお風呂は泳げるくらい大きいから疲れも癒されますよ。さっ」
由奈は立ち上がると俺の手を掴み、一緒に行くように促した。
最初のコメントを投稿しよう!