*不機嫌の理由*

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「……っあ、く…」 ――バシッ 「無理矢理入れられて感じてんじゃねぇよ。」 「……ぁ、」 まだ授業中の校舎。 そこから少し離れた体育倉庫。 埃臭いマットの上で、オレは無理矢理突っ込まれて後ろ頭を叩かれた。 「ほんと変態だよな、お前。」 四つん這いの状態で頭を押さえつけられ、眼鏡が歪んでしまうのを気にしながらも、苦しくて痛いのに嬉しいのは俺がMなだけではない。 「ど変態の癖に教師に色目使うとか…!」 「あっ、……ぁ、」 「聞いてんのかコラ!」 1ヶ月前。 放課後に残っていた時、たまたま君が現れた。 いつも君に目がいってしまうオレは、その日もつい見てしまった。 『オイ、お前いつも何見てんだよ?』 君はそう言い、僕は胸ぐらをつかまれた。 君の蔑むような目と首の苦しさに反応してしまったオレを君は面白がって、オレをオモチャだなんて言ったけど… 「お前あの教師と仲良かったんだ?」 先生には日直だから提出物の収集を頼まれただけなのに。 君の不機嫌の理由。 それはまるで…
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