欲望の声

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「足音が……ふたつ……?」 ひとつは柊の物と思われる靴が床を蹴る音。 そして、もう一つ。かすかに聞こえる、ぺたっぺたっという裸足で歩いているような音が後ろから。 不思議に思った凛が振り返る。 「えっ……」 それを見た瞬間、全身から血の気が引くのを感じた。 「なんであなたがいるの……」 思い出すのは、眠ったまま目を覚まさない兄の姿。 目に映っているのは、あの時兄を奪った少女。 「凛、良かった!合流で……」 「お兄ちゃん来ちゃダメ!!!」 凛の叫び声で足を止めると、柊の目にも少女の姿が映った。 「……アナザー!」 柊も視界にとらえたアナザーは薄く微笑む。 「さあ、貴方達の望みは何?」
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