4人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっ、ちょ、お兄ちゃん!?」
いわゆるお姫様抱っこ状態の凛。
相手は兄であるが、凛も年ごろの女の子であり、恥ずかしさで少し顔を赤くした。
「ごめん、でも今あいつに対抗できる手は持ってないんだ。取り敢えず逃げるよ!」
走っている状態で降ろせるはずもなく、そのまま二人は建物から遠ざかる。
「っ!」
不意に、柊の右脚に鋭い痛みが走り、足を縺れさせてしまった柊がその場に倒れこむ。
ジーンズが切られ、少し先には血の付いたナイフが落ちていた。
アナザーも二人を逃がすつもりはないようだった。
痛みは立てないほどではないが、足がやられたことで移動速度は格段に下がってしまう。
そのため、すぐにアナザーに追いつかれてしまった。
「一度見たなら知っているでしょう?私はあなたの欲望を叶えてあげられる。なぜ逃げるの?」
最初のコメントを投稿しよう!