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鈴木は、閉店したと思い、そのまま通り過ぎた。
翌日、
「おはようございます」
鈴木は、出社した。
課長が
「鈴木、遅いぞ。準備して早く注文取ってこい」
昨日までの、対応と一変した。
内心、
「何だよ、300個も注文取ったのに」
と思いながら、外出した。
会社を出て、街中を歩いていると。
「新内閣が誕生しました。小林総理は、この内閣について・・・・」
政界のニュースが、街中に流れていた。
別に興味もない鈴木は、時間潰しに家電量販店に入って、ニュースを見た。
鈴木は、目を疑った。
「あれ、この人。あの、ネクタイ」
「偶然かな?」
ニュースを見飽きて、公園のベンチに座っていた。
「ネクタイで総理になった。嘘だろう」
先程のニュースで見た総理大臣は、確かにあのネクタイを締めていた。
公園で、ボンヤリ考えていた鈴木に、老人が声を掛けた。
「おや、御休憩ですか」
「あっ、ネクタイ屋の爺さん」
あの時の老人であった。
「どうですか、お仕事は」
「それより、あのネクタイは効果あるの」
老人は、少し考えて、
「夢首の意味はですね、首から邪悪な物が入り込むという言い伝えがあり、これ
は邪悪な物を取 り払うものなのです」
「でも、効果があるんだよね」
「それは、あなた自身で判断して下さい」
老人は、そう言い残して公園から消えていった。
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