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「当然ながら、マヘ様ご一家は、すべてのお食事を無料で提供させて頂きますので、そのおつもりで。星無しから五つ星、屋台もですね。その他の固形賞品も全て半額と手配させていただいております」
その通り、当然ですと頷くマヘ親子。
ひぇぇぇ!
お食事無料提供?! 五つ星! 屋台!
その他も全て半額!
マヘ家、恐るべし。
「さて、まずは初めてツララ国に来られたお二方に国のご紹介から致しましょう。ツララ国は、約2000年前に建立されました。当時の国名はマヘ王国。」
マヘ王国?!
つまり、マヘ家はもともとツララ国の王族だったということ。
どおりでこんなにおもてなしが凄いわけだ。納得できる。
「当時の国は安定していて、イフウ・マヘが国政を行っていました。……」
しばらく、このマヘ主人のご先祖さんが治めた「マヘ王国」の話を聞いていた。
要点をまとめると、イフウ・マヘ国王が政治し、国は驚く程安定していた。その次、次へと代が変わるごとに他国がマヘ王国の平和さが羨ましくなり、ついには近くの国が7つ程マヘ王国に入ることになってしまったらしい。遠くの国も入るようになった時、当時の国王ツマキ・マヘがこう言ったそうだ。
「マヘ王国は領土が散らばってしまった。私がすべての国に出向いて、旅をし、政治する事としよう。」、と。
国が必要以上に混乱しないよう、元のマヘ王国には新しく信頼できる王を置き、国名も変えることとした。
その年、この国に初めて雪が降ったそうだ。雪の白さと氷麗の美しさに感動した国民と国王は、意見を持ち寄り、国の名前は「ツララ国」と変わった。
それから700年、雪は一度も降っていない。国も平和なままだ。
「……そして、その美しい雪解け水が滝になり、国を見守っていてくださると。そんな伝説もあるのです。」
深いなあ。
「では、私は少し手配をしておきますので。ゆっくりおくつろぎくださいませ。」
女の人が奥へ入っていった。
「マーガレットちゃん! やっぱりこの国の名物は、滝だよ!」
でも、滝の話題をここで出されると少し困ったりする。
何故かと言うと。
「トブサン! マー、やっぱり、滝、行く!」
予想通り。
電気に水は困るのだが。
「マー、国を守るほどおっきい虫、雪解け水から生まれるなんて、本に書いてなかった! トブサン、絶対行くから!」
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