第1章

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たら一瞬で壊してしまうだろう。少なくともダイヤモンド100パーセントとかじゃないと……予算が笑うほど合わない……。 「ラベロも、新しい日記帳、欲しいって。トブサン、しっかり」 はあ……。 どうしてリュだけ! 「あ、トブサン、町」 前方に赤い旗がちらっと見える。 町? 国じゃないのか? 赤い旗には複雑な線対称の模様が並んでいる。 目を凝らすと、三角形に渦巻いた白い蛇だった。 「マーガレット。あれ、国だよ」 「クニ?」 マーガレットは国を見たことないのだ。リュも同じ。 「三角形に渦巻いた白い蛇。赤い旗だし。国じゃないかな」 ん、と一言呟き、マーガレットが日記帳をペラペラ捲る。 「ラベロ、知ってる? ……うん。へえ。」 なんだ? 「トブサン、あの国、ツララ国って。ラベロ、知ってた。」 ツララ国。そんなに寒いのか。 「国名の由来、1回ツララが出来たっていう過去が伝説になったんだって。普段は海の近くで、とってもあったかいと」 逆だったか。 「国、超広い」 「どのくらいって?」 「人口多い、丘25つぶん」 はあ?! 広すぎだ! 「抜けるのに、最低でも5日はかかるだろうなぁ……」 「なんで。トブサン、国、嫌い?」 「そんなことはないけど……」 んむむ。 国に入ったら電気が多そうで体内磁石が狂うかもしれない、なんて言えない。 しかも、ヘンな機械だらけで事故が起こる可能性だってある。 建物だらけで辺りを見回す事も出来ないから、竜巻が近づいて来ても気がつかない。 危険だらけだ。 でもまあ、真北って言えば、通るしかないのか。 「ラベロ、なんで? なんで知ってるの? へえ。有名なんだ。トブサン、ツララ国、学校で習ったんだって。」 学校で習うほど有名ってことか。 学校に行ってないリュとマーガレットはわからない大きさなんだろう。 「大きな滝?」 「え?」 「観光、大きな滝、あるって」 水?! 焦るリュ。略して焦リュッ!
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