第1章

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「滝って、なに?」 一瞬、リュの頭がいつもの約20倍の速さで回転した。 これをうまく使うんだ! 「え?……ああ、あれだよ、一軒家くらいのおっきい虫がウジャウジャいる、気持ち悪いやつ。物好きもいるもんだねー、観光なんて」 「ふーん」 っしゃあ! クリア! と思ったら。 「凄い興味、ある! 家にあった図鑑でも、40センチ超えのムカデ、一番って書いてあった。図鑑に載ってない、何メートルもあるやつ!」 あああ! 誤算! マーガレットは、時々普通の子とは違う「本の内容に関する好奇心や希望」をぶちまけるんだった! 本に書いてあって「面白そう」と思ったことはやる。躊躇せずに、絶対。 マーガレットの、規則性がない好奇心……。 「マー、早く見たい! ライ、ゴー!」 馬の上で人差し指を天につきたてるマーガレット。 ライは一回ヒヒィンと鳴いて、草原を一直線に駆けて行った。 「ああっ、待て!」 リュも影を踏んで飛んで、猛スピードで丘を駆け降りる。 二つの影が、雲影に溶けた。 ツララ国はもうすぐそこだ。
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