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「滝って、なに?」
一瞬、リュの頭がいつもの約20倍の速さで回転した。
これをうまく使うんだ!
「え?……ああ、あれだよ、一軒家くらいのおっきい虫がウジャウジャいる、気持ち悪いやつ。物好きもいるもんだねー、観光なんて」
「ふーん」
っしゃあ!
クリア!
と思ったら。
「凄い興味、ある! 家にあった図鑑でも、40センチ超えのムカデ、一番って書いてあった。図鑑に載ってない、何メートルもあるやつ!」
あああ! 誤算!
マーガレットは、時々普通の子とは違う「本の内容に関する好奇心や希望」をぶちまけるんだった!
本に書いてあって「面白そう」と思ったことはやる。躊躇せずに、絶対。
マーガレットの、規則性がない好奇心……。
「マー、早く見たい! ライ、ゴー!」
馬の上で人差し指を天につきたてるマーガレット。
ライは一回ヒヒィンと鳴いて、草原を一直線に駆けて行った。
「ああっ、待て!」
リュも影を踏んで飛んで、猛スピードで丘を駆け降りる。
二つの影が、雲影に溶けた。
ツララ国はもうすぐそこだ。
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