第1章

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 カツカツと革靴が足音を立てる。  見えてくるのは赤い飛沫と黒い闇。  すべて私がやったもの。  どくどくと赤いものを流すものを漁っては。  目ぼしいものを漁って懐へ仕舞いこむ。  それを繰り返してもう幾年も過ぎたように思える。  しかし私は数えるほどしか生きていない。  この行為を繰り返す理由は、私にしか知らないものだった。
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