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扉を開けて中に入る。すると受付のお姉さんが声をかけてくる。
「あ、あなたがあの宝石を見つけてくれた人ね。ちょっと待っててね、今マスターを呼んでくるわ」
そう言って奥へ行く。なかなか要領の良さそうな人だなと思いつつ周りを見渡す。思えば教会以外にこんな場所なんてあまり来たことがなかった。何て思っていると奥から眼鏡を掛けた老人が出てくる。
「……君か。まさか君があんなものを持っているとは……。世の中何が起こるかわからんものじゃな」
「説教なら聞き飽きた。結論から言ってもらおう」
「何、説教するつもりは毛頭ない。それでじゃ、あの宝石は何と、魔法石だったのじゃ」
魔法石……。噂には聞いたことがある。文字通り魔力のこもった宝石。通常では作り得られず資料も少ない。故に文献にのみ記されたとされるものだが、まさか実在するものだったとは。
「お前さんのお陰で研究が捗る捗る。お陰でほれ、魔法石の作り方まで出来てしまった。まぁ何人かの研究者は倒れてしまったがな。ほっほっほ」
魔法石の作り方……そんなものまで出来上がったのか。文献にしか存在しないものだったはずがまさかここまで進歩するとは……。
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