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ふわりと雪が落ちる。 寒いな、と一人つぶやき、仕事を納めた嬉しさに浮き足立ちながら、我が家への道を歩く。 久々に帰る我が家だ。炬燵は出してくれているだろうか。 あいつは風邪を引いてないだろうか。 「ただいま」 「おかえり」 おかえりと帰ってくる声が嬉しくて、思わずその声の主を抱きしめる。 「何だよいきなり…。こっちは受験生だぞ、風邪引いたらどうしてくれる。」 相変わらずの憎まれ口に少し嬉しさが混じっていて、思わずキスしそうになるけれど、ここは大人になって我慢。 「ごめんごめん、久しぶりだからさ。」 「……とりあえず、飯あるから手洗ってこい」 当たり前のように荷物を持って、奥へ進む姿にニヤケが止まらない。 ご飯もあるだなんて聞いてない。すごく嬉しい。 手を洗う水が冷たいのに、少し正気に戻り、リビングに向かう。 「ほら、早く食べろ、洗い物するのは俺の仕事なんだから。」 そう言って俺の前の席に座る君は、俺の愛しい人。 「今日くらい俺がやるさ。……いただきます。」 「……じゃあ頼む。」 「だからさ、その代わりと言ってはなんだけど…」 「何だよ、何か良からぬことでも考えて――――」 騒ぎ出しそうな口はキスで塞ぐ。 「久しぶりにさ、ヤらせてよ受験生くん」 「………………クソっ、久しぶりだからな。」 真っ赤に頬を染める君に、幸福を噛み締める。
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