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女性に対して緊張するタイプなのだと、女は瞬時に悟った
安全な場所に移され、男は女を降ろした
「…怪我がなくて何よりだ」
男はそれだけ言い、その場を去った
無骨で男らしい彼の垣間見える不器用そうな素顔に女は胸の奥が熱くなるような思いだった
「ああ…彼になら抱かれてもいい…!」
「おめぇら、何、ボーッとしてやがる!!」
「えっ、ハッ、いや、
あいつらあんまり綺麗で見とれてしまいましたぜ!」
「見とれる奴があるか、この阿呆!
俺はな、顔のいい奴は嫌いなんだよ! 虫酸が走るぜ!
おめぇら、さっさとあいつらのお綺麗な顔を歪ませてやれや!!」
言うが早いか、親分が動き出そうとしたその時足元にある何かに躓き、その何かが悲鳴を上げた
「きゃあっ!?」
「うおっ――とぉ!?」
その何かは、愛らしい瞳にウェーブがかったふわふわの柔らかい髪、透き通るような白い肌、まるで天使を思わせるような出で立ちで親分は目を丸くした
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