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吐息混じりに囁かれ親分は体が熱くなるような、胸の奥を何かが込み上げてくるような、たまらない気持ちになる
「な、なんだこの気持ちは…
胸の奥をくすぐるような…
これが“トキメキ”ってやつか…!?」
艶っぽくも優しい桃の瞳に絡め取られすっかり身動きできず、力の抜けた親分の手からナイフが転げ落ちた
桃はそれを素早く蹴飛ばす
そしてもう一度親分の耳元に甘く優しく吐息を吹きかけた
「かはッ…」
「親分っ!?
親分の目が…ハートになってる…!」
子分達の目の前で親分は膝から崩れ落ち、キュン死にした
「キミの瞳に――――
ズッキュン!!」
桃は極上の笑みで勝ち誇るように言う
「お、おまえら…
親分をこんな目にして…覚えてろよ!!」
もとより親分がいないと何も出来ない子分達、幸せそうに気絶している親分を担いで尻尾を巻いて逃げるように彼らは消え去った
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