嘘は現実に

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 学校が終わると、僕はいつものようにして近所の小さな公園へと向かった。そして、公園にはいつものように彼女が待っていた。  今日は雪が降っていた。それにも関わらず、彼女は傘も差さずに立ち尽くしていた。   そんな彼女は長く美しい銀色の髪をしており、深々と降る雪の景色がより一層美しく感じさせた。 『りん、嘘ついた……』  悲しげな表情を浮かべて話すその彼女は、僕の好きな女の子。そして、恋人。この公園で毎日のように会っては、一緒に遊んでいる。  そして、りんとは僕のことだ。一之瀬 凛(いちのせ りん)。それが僕の名前。 『ごめん……』  僕は昨日、彼女に嘘をついてしまったのだった。 『ずっと待ってたんだから。私、寂しかった』  家の予定があることを知っていたにも関わらず、僕はいつものようにして、何も考えずにまた明日と言って別れてしまったのだ。結果として、彼女を公園で一日待たせることになった。 『本当にごめん……』  完全に僕が悪い。ただ謝ることしか出来なかった。 『今度からは、嘘ついたら駄目なんだから』 『うん。約束する』 『じゃぁ、指切りげんまんね』  そう言うと、彼女は小指を差し出す。僕はその小指に、自分の指を絡める。    ――指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます! 指切った!  小さな公園には、幼い僕と彼女の声が響き渡っていた。  この日から、一之瀬 凛は嘘をつかないと心に決める。
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