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毎日、毎日というのは明るい時間と暗い時間一回づつ。
選択、掃除、炊事、木の実を集めて、一応、釣りも練習。
それから、お勉強があります。読み書きもなんですけど。
お母様は本棚に何冊もの本という、文字や絵が一杯の、
お勉強できる物を、最後のお誕生日に贈ってくれました。
それまでは、本棚にはお母様だけの布が掛かっていて。
私はお母様と一緒でないと、本に触ってはいけなくて。
だから一緒にお勉強をしてたのです。本は大切にしてね。
お母様はいつも言ってました。お勉強は好きなんです。
お母様が居なくなって、私とお話は出来ないけれど、
お話を教えてくれているのは、本だけなんですから。
ただ沢山の本の代わりに、お母様がどこかへ行きました。
いつかまた会えるのだそうです。それまでお勉強です。
時々だけど、お母様に叱られるかもしれないけれど、
少し寂しくなります。そんな時、玉の火は七色に光って
クルクルと私を回ってくれるのです。撫でるようにです。
*
実はもう少し、寂しいのと違う変な気分が偶に起きます。
寒くなる冬になると、外や空が真っ白だと見えにくいけど、
春から秋までの間、お外には二つだけ知らない物がいます。
石とか岩というのは勉強しました。ゴツゴツしてたり、
転がっていたり、どれも形が違います。樹や草花もですが。
でも、小屋のドアのように、奇麗な板のような真っ白な。
そう、小屋に一つだけある鏡みたいに、キラキラしてて、
円柱のようなのも、真四角なのもあります。草花とか樹は、
多少は似ても、こうなりません。お母様が作ったのかな。
お母様は玉の火のように、教えてはくれない事も随分と
あったのです。本で知りました。草花の丘を端っこまで。
そこには、海というのがある本には書いてありました。
水が物凄く大きな物……ですが池の大きな感じではなく、
空の青いのが白くなる、ああ、そう雲とかに似ています。
足元に雲にそっくりな海が、広がっています。
*
町とか、お母様以外の沢山の人、何と私位の十一歳と、
二回位の冬を足した女の子も、いるみたいなのです。
違うのかな。ずっと前に居ただけなのかも。
冬の間は沢山のお勉強をしていたから。
私の知らない事を沢山、本達は話してくれて。でも、
これは作り話なのかも。想像力とか寝てるときの夢とか。
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