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友人とその彼女が付き合ってから、そろそろ一年になる。
ちょくちょく相談しに来る友人だが、あまり長居はせず、彼女とデートだとか彼女が家で待ってるだとかで、さっさと帰ることの方が多くなった。
概ね、よくやっているんだろう。
「彼女も頑張るなぁ、あいつ相手に」
よっぽど惚れ込んだのか、あるいはあいつの気持ちを汲み取れているのか。
「こりゃあ、あいつの気持ちも変わるか……?」
《ピンポーン》
「あいよー」
玄関を開ければ、今し方考えていた友人が困った顔で突っ立っていた。
「……どないした」
「彼女が、僕のこと愛してるって言うんだけど……やっぱり好きじゃないのかな」
前言撤回。こいつ気持ち変わってねえ。
俺は若干痛くなる頭を押さえつつ、真面目に考え込んでいた友人を見て溜め息を吐く。
「ちったぁ学習しろよお前よぉ……」
「どういうこと?」
あぁめんどくせぇ。
何がめんどくせぇって、こんな馬鹿な友人の相談に毎回乗ってる俺が……一番めんどくせぇ。
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