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『大体の事情も流れも掴める。相手があのアホ咲良だからな。それに、咲良のこの顔見ろ。完璧に合意だよ。』
あ、アホ咲良って‥どういうこと‥‥?父さんは智沙と関わりあったの‥?と思いながらも父さんに言われたとおり罪悪感に苛まれながらも智沙をチラッと見ると、眉をキュッと寄せ悩ましげな官能的な顔をしていた。
正直全く分からない。
『でもな、優。咲良の馬鹿のせいだとしても、授業をサボったのはいただけない。反省文だ。咲良にもそう言っとけ。』
『(ば、馬鹿‥?)はい‥。』
『それと、優。これが俺以外の先生だったら大事になってたぞ。咲良は理事長の息子だからな。』
そう言われてハッと気付く。
そうなのだ、智沙はこの咲良という大きい家系の大事な大事な子供なんだ。
そんな智沙に手を出したとなれば一大事、俺の退学は免れないし、父さんの退職も‥そして一家の滅亡をも意味するのだ。
サッと血の気が引いた。
そんな俺を見て父さんは、
『理事長を初め、咲良の家系の方々は咲良智沙のこともお前の事もよく知っていて、加えて賢く聡明方々だ。お前が心配しているようなことには絶対にならない。
でもな、優。他の先生方に見つかったらそんな簡単なことじゃない。この学校の生徒達もお前のことをどんな目で見るか分かったもんじゃない。
そうしたらお前が辛い立場になるんだぞ。』
と厳しい口調で言う。
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