第二章

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ブーッ 龍樹の部屋の前に来てベルを鳴らす。この中にはもちろん龍樹がいて、それから部活帰りのリュウ、それと‥ 智沙がいるはずだ。 智沙は何だかんだで龍樹と仲が良いからだ。 さっき失神していた智沙は、なぜか父さんが「こいつには色々と聞かなければならないことがある。」と言って俵担ぎされて引き取られて行った。 授業をサボった件については僕も関与しているから同行すると言ったが、父さんは 「いや、その件じゃない。あの件だ。」 と言って遠い目をした。 あの件‥?と思ったけど、罪悪感や気まずさもあってそのまま父さんに任せた。 ウィーン 「優、わざわざ悪いな‥。」 平常心、平常心‥。と心に念じていると、龍樹がロックを外して出てきた。心なしかさっき来た時よりも龍樹がぐったりとしている気がした。 「大丈夫か、龍樹。すぐにご飯作るからな。薬は粉薬になっちゃったけど、効きはこっちの方がいいらしいから。」 そう説明し、早くおじやを作らなければ、と急ぎ気味で部屋の中に入る。
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