第二章

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部屋に入ると、リュウが倒れていた。 「り、リュウ‥?」 買い物袋を置いて慌ててリュウに近寄る。 「大丈夫か、どうしたんだ?リュウも風邪引いたのか?」 抱き起こすとリュウがうーんうーんと唸り、 「は、腹‥」 と苦しそうに言った。 はら? 「‥くだしたのか?」 それとも便秘か? 「ち‥が‥さ、さくら‥がっ!!!!」 「うわっ!!」 ドサッ ゴンッ 「り、りゅう!!!ごめんっ!」 きゅぅぅぅぅとリュウから音がした(気がした)。揺さぶるが、全く応答はない。まるで死人のよう。 なぜかいきなり葱が飛んできて、リュウのおでこにクリーンヒットしたのだ。 その葱に俺も驚いてしまい、抱き上げていたリュウを落としてしまった。 「あっ!ごめん‥!!お葱洗おうとしたら手が滑っちゃって‥!」 声がしたので後ろを見ると、眉を八の字にした智沙がいた。 今までどこにいたのだろうか‥。 その智沙の後ろにはおでこに手を当てて具合が悪そうな龍樹が壁に寄りかかっていた。
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