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「まーくんさ、初めてじゃないよね。彼女‥いたんだ?」
そんな俺にかまわず続ける智沙。いつもより声が低いのは気のせいじゃないと思われる。
「‥まぁ‥‥うん。」
「‥そう。」
なんだろう、この
「‥」
「‥」
浮気を問い詰められているような感じは。
しかも智沙の顔が見えないから、余計に怖く感じる。
「したの?」
「えっ?」
「最後まで、シたの?その‥付き合ってた、人と。」
ドクン、と心が大きく鳴った。
同時に、あの時の光景が頭をよぎる。
【お願い‥っお願い、や、やだ!やめて!!やめて!!!まさるっ!!!!!いやぁぁぁぁぁ!!!】
目を瞑り、ギュッと自分の手を握る。
「シタ。」
犯罪紛いのものをね。
「‥‥っ!」
一生背負っていかなければならない、ずっと。
忘れることなんて
片時もあっちゃいけない。
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