第二章

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「まーくんさ、初めてじゃないよね。彼女‥いたんだ?」 そんな俺にかまわず続ける智沙。いつもより声が低いのは気のせいじゃないと思われる。 「‥まぁ‥‥うん。」 「‥そう。」 なんだろう、この 「‥」 「‥」 浮気を問い詰められているような感じは。 しかも智沙の顔が見えないから、余計に怖く感じる。 「したの?」 「えっ?」 「最後まで、シたの?その‥付き合ってた、人と。」 ドクン、と心が大きく鳴った。 同時に、あの時の光景が頭をよぎる。 【お願い‥っお願い、や、やだ!やめて!!やめて!!!まさるっ!!!!!いやぁぁぁぁぁ!!!】 目を瞑り、ギュッと自分の手を握る。 「シタ。」 犯罪紛いのものをね。 「‥‥っ!」 一生背負っていかなければならない、ずっと。 忘れることなんて 片時もあっちゃいけない。
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