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僕はあんたに一方的に振り回されるのが嫌で、わざと背中を向けて眠ろうとしたことがある。
そうしたら、ふたりの間に隙間ができて。
「寒いから、間(あいだ)を空けないでよ」
なんて身勝手なんだろう。
じゃあ、そっちから抱きしめてくれたらいいじゃないか。
そう言ったら、「体勢が苦しいから嫌」だって。
仕方なく僕が折れる。
僕はあんたの背中を見る。
腕を伸ばす。
小さな身体を抱きしめる。
憎らしいのに、憎めない。
嫌いになれたら楽なのに、どうしようもない。
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