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「これからどうしようか……」
会長さんが十字路の所で皆に聞く。
「あのドア、上に続いてるみたいですよ?」
姉ちゃんがエレベーターの真向い突き当りのドアを指さして言った。
皆がそのドアの前に向かう。
「…………馬鹿にしやがって」
ドアを見て忌々しげな顔をする蛇田の言う通り。
そこにはご丁寧に、『2F』と書かれたプレートが貼ってあった。
そしてドアには鍵がかかっている。
男性陣の何人かがドアを蹴ったりしてみたが、ドアは分厚い金属製でビクともしない。
力任せに壊すのは無理だろう。
「なーんかハメられてる感ありますよねー」
鈴が半笑いの表情でそんな事を言う。
それは皆が薄々感じていた事だった。
こんな異常な状況でも皆が比較的冷静なのは、正にこのせいだろう。
わざとらしい位によく出来過ぎているこのシチュエーション。
イタズラにしては少々大がかり過ぎる気もするが、流石にこの状況をそのまま素直に受け入れるには、ちょっと非現実的過ぎてる。
「どっかの部屋に隠してある鍵を探して次に進めってか? はは、ゲームかよ」
幸助が馬鹿にした様に言う。
「そういう事なのかな~」
会長さんも腕を組んで微妙な表情になる。
「……くだらねぇ事に手間取らせやがって……。あのデブ、会ったら絶対ぶっ殺す」
蛇田はもう完全に一樹さんの仕業だと決めつけ、拳を打ち鳴らす。
「じゃあ、ドアは四つもあるし、他に出口が無いか手分けして探しましょうか」
姉ちゃんが提案する。
八人いるし、二人ずつに分かれればちょうど四部屋を一度に探せる。
そして、高校生が四人で大学生が四人、更にそれぞれ男女が二人ずつなので、高校生組で男女二組、大学生組で男女二組と分ければちょうど良いだろう、となった。
「さて! じゃあ男同士女同士でグーパーして、それぞれ出した者同士で組めばちょうどいいな!」
「そうね」「うん、それでいいよー」
女子二人が同意して、幸助が僕の前に立つ。
「よし、行くぞ慎太郎! ……最初はグー! じゃーんけーん……」
たかがじゃんけんで何をこんなに楽しそうにしているのか。
「ほら、慎太郎! やるぞ! じゃーんけーん!」
「はいはい」
Ⅰ.グーを出す
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Ⅱ.パーを出す
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