第二話 地下三階

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P-03 「これからどうしようか……」 会長さんが十字路の所で皆に聞く。 「あのドア、上に続いてるみたいですよ?」 姉ちゃんがエレベーターの真向い突き当りのドアを指さして言った。 皆がそのドアの前に向かう。 「…………馬鹿にしやがって」 ドアを見て忌々しげな顔をする蛇田の言う通り。 そこにはご丁寧に、『2F』と書かれたプレートが貼ってあった。 そしてドアには鍵がかかっている。 男性陣の何人かがドアを蹴ったりしてみたが、ドアは分厚い金属製でビクともしない。 力任せに壊すのは無理だろう。 「なーんかハメられてる感ありますよねー」 鈴が半笑いの表情でそんな事を言う。 それは皆が薄々感じていた事だった。 こんな異常な状況でも皆が比較的冷静なのは、正にこのせいだろう。 わざとらしい位によく出来過ぎているこのシチュエーション。 イタズラにしては少々大がかり過ぎる気もするが、流石にこの状況をそのまま素直に受け入れるには、ちょっと非現実的過ぎてる。 「どっかの部屋に隠してある鍵を探して次に進めってか? はは、ゲームかよ」 幸助が馬鹿にした様に言う。 「そういう事なのかな~」 会長さんも腕を組んで微妙な表情になる。 「……くだらねぇ事に手間取らせやがって……。あのデブ、会ったら絶対ぶっ殺す」 蛇田はもう完全に一樹さんの仕業だと決めつけ、拳を打ち鳴らす。 「じゃあ、ドアは四つもあるし、他に出口が無いか手分けして探しましょうか」 姉ちゃんが提案する。 八人いるし、二人ずつに分かれればちょうど四部屋を一度に探せる。 そして、高校生が四人で大学生が四人、更にそれぞれ男女が二人ずつなので、高校生組で男女二組、大学生組で男女二組と分ければちょうど良いだろう、となった。 「さて! じゃあ男同士女同士でグーパーして、それぞれ出した者同士で組めばちょうどいいな!」 「そうね」「うん、それでいいよー」 女子二人が同意して、幸助が僕の前に立つ。 「よし、行くぞ慎太郎! ……最初はグー! じゃーんけーん……」 たかがじゃんけんで何をこんなに楽しそうにしているのか。 「ほら、慎太郎! やるぞ! じゃーんけーん!」 「はいはい」 Ⅰ.グーを出す   ―――→[4]ページへ Ⅱ.パーを出す   ―――→[5]ページへ  
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