anniversary

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真っ暗な中でスポットライトが2箇所。 新郎の傾けるマイクに向かって手紙を読む莉奈子ちゃんと、それを聞くご両親に招待客の全てかが見入っていた。 外界から遮断するように分厚いカーテンを締めて、薄暗い照明だけの部屋は折角のピンクやオレンジの飾りの可愛さを半減させているんじゃない? 一番のクライマックスを目にして、どこか冷めている自分がいる。俺でもこんな風に祝って貰えるんだろうか?と急に居心地の悪さを感じて寿々子を想う。 食べるものは食べたし、飲むほど飲んだ。酔い覚まし的な珈琲は、俺が淹れた方が美味いってことも解った。
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