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それから4ヶ月と少しが経った四月の入学式前日。
なんとなく普通のキツネ成分が欲しくなり例のぬいぐるみを取り出した時だった。
「やっほー。
って、懐かしいわね~これ」
そう言って茜が入ってきた。
・・・茜?
「お前、地元の学校じゃないのか?」
実にまともな質問を返したが、こいつは不思議なことを言ってきた。
「あんたみたいなキツネ耳オタクなんてすぐ友達なくすだろうから、
ついてきてあげたのよ。わざわざ、ね。
それに地元のとこよりだいぶいい学校だしね」
ありがたい…でいいのか?
「んじゃお前も一人暮らしか。どこに住むんだ?」
「もちろん決まってるでしょう?」
嫌な予感がする…
「一緒に住むわ」
「丁重にお断りさせていただきます。ええ。それは丁重に」
キツネ耳以外に興味はないからな!
「まぁそういうと思ったので。思ったので!!!」
なぜ2回言った…?そこ重要なのか…?
「隣に部屋取ったわ。これなら文句は言えないでしょ?」
はい来ると思いました。
大方一緒にバカやる相手が欲しかったんだろうけど。
抑止力も必要だし…。
「それならとりあえず帰ってくれ…俺は疲れた…」
「もう…いつもそれなんだから…はいはい。帰りますよっと」
早々に帰ってくれた。ありがたいことだ。
とりあえずほんとに疲れたので寝るとするか…。
俺は疲れを癒すために何も考えずに布団に飛び込んだ。
無意識にキツネのぬいぐるみを抱えたまま…。
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