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「はぁ…」
大きな大きなため息を何度もつきながら孔明は部室へ向かう。
別に部活が嫌いなわけではない、バスケしてる時間は楽しいし
趣味だ、と言えるほど好きだ。
では
何がこうも孔明が部活へ向かう足を邪魔しているのかというと…
(今日も顧問くるのかな…)
そう、顧問が苦手なのだ。
40代初めで、メガネの似合う渋い感じの顧問で、
めちゃくちゃな要求をしたり、暴力をふるったり、といった典型的なダメ顧問というわけではないのだか、
とにかく真面目な人なのだ。
挨拶はきっちりとしろ!
部室が汚いぞ!
など、
生活面の礼儀はもちろんのこと、
ミスをしたら厳しく的確にお叱りを入れてくる…
ゆえに反論の余地がない、
そんな人なのだ。
気が合わず部活をやめていった部員も決して少なくはない。
だが、そんな真面目を貫ける顧問の人柄を、孔明は尊敬はしている。尊敬はしているんだが…
(正論は正しいけど、正論を振り回し正論で攻め続けるのは正しくない。)
なんて、どこかの話で聞いたようなセリフを思い出し、何度も怒鳴られた苦い記憶を思い出し孔明は顔をしかめる。
…頼む。
職員会議が何か…
長引いてくれ!!
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