~第1話~今

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「はぁ…」 大きな大きなため息を何度もつきながら孔明は部室へ向かう。 別に部活が嫌いなわけではない、バスケしてる時間は楽しいし 趣味だ、と言えるほど好きだ。 では 何がこうも孔明が部活へ向かう足を邪魔しているのかというと… (今日も顧問くるのかな…) そう、顧問が苦手なのだ。 40代初めで、メガネの似合う渋い感じの顧問で、 めちゃくちゃな要求をしたり、暴力をふるったり、といった典型的なダメ顧問というわけではないのだか、 とにかく真面目な人なのだ。 挨拶はきっちりとしろ! 部室が汚いぞ! など、 生活面の礼儀はもちろんのこと、 ミスをしたら厳しく的確にお叱りを入れてくる… ゆえに反論の余地がない、 そんな人なのだ。 気が合わず部活をやめていった部員も決して少なくはない。 だが、そんな真面目を貫ける顧問の人柄を、孔明は尊敬はしている。尊敬はしているんだが… (正論は正しいけど、正論を振り回し正論で攻め続けるのは正しくない。) なんて、どこかの話で聞いたようなセリフを思い出し、何度も怒鳴られた苦い記憶を思い出し孔明は顔をしかめる。 …頼む。 職員会議が何か… 長引いてくれ!!
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