1人が本棚に入れています
本棚に追加
このやる気のなさを一つに凝縮したような人物、それが桐谷孔明だ。
顔も学力もまぁまぁと、言われていたようにどこにでもいる普通の男子高校生だ。髪は目や肩にかからない程度に切りそろえられ、ほんの少し茶髪が混じっている。
しかし、本人の性格が出ているのか、寝癖を直していないため、頭のあちこちがはね、ワックスなどではねさせているように見えなくもない髪型となっている。何度か校門の頭髪チェックで捕まったほどだ。
男子バスケットボール部に所属しており、性格は明るい方だ。
1年生にして生徒会も務めていることもあり、
知名度も低くはない。
が、これといった特徴もない。
さっきも言ったように、どこにでもいる明るい普通の高校生だ。
強いて特徴をあげるなら、他より運動ができる、ということと…
「相変わらずちっさいねー!」
「ぐっふ!」
不意に、身長159cmの小さな背中を襲った衝撃に孔明は情けない声を出してしまう。
「げっほ、げっほ…
なんだ、川上先輩ですか。
もー驚かせないでくださいよ!」
「ごめん、ごめんー。」
そこまで悪気もないように謝るこの女子生徒は、孔明の一つ上の
2年の先輩、川上 愛
(かわかみ あい)だ。
身長は152cmと孔明より小さいのだが、女子高生としては平均的な身長だろう。
髪を後ろでひとくくりにし、ゆらゆらさせている姿はとても可愛らしく見える。
孔明と共に生徒会に所属しており、愛は1年生から生徒会にいるので、生徒会に入って2年目になる。
孔明にとっては様々な面で助けてくれる良き先輩だ。
(ん…
待てよ…
生徒会の先輩…?)
「思い出した??」
孔明が何かを思い出したのを悟ったかのように愛はにこやかに笑顔を浮かべる。
そして、
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、思い出しました、思い出しましたから!腕つねりながら引っ張るのやめてください!ちゃんと行きますから~…」
「問答無用~!!」
今まで以上の笑顔を見せる愛に、腕をひっぱられ(つねられ)、孔明はとある場所へ連行されていく。
そうだ…
今日は生徒会の
定例会があるんだった…泣
最初のコメントを投稿しよう!