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「2-3所属、川上愛、1-1所属、桐谷孔明をただいま捕獲し連行いたしました!」
と、敬礼までしてしまいそうな勢いで、生徒会室ドアを開け報告をする愛を横目に見つつ孔明は中を確認する。
生徒会室、といっても構造は他の教室と変わらず、長方形の部屋でメインとなる大きな黒板が東側の壁に、ちょっとした連絡事項などを書き込むふた回りほど小さな黒板が西側に、しかし、教室を西4:東1と分けるように大きな本棚と道具入れが置いてあるので、向こう側に行くには東側の端にある扉を使って入るか、ほぼ天井近い棚と北、南側の壁の間にできた人一人分くらいのスペースを通るしかない。
役員が使う机は、よくある教室と同じで1人ずつ個人の机があるわけではなく、広くとられた西側のスペースに真ん中を開け、正方形になるように長机が数個ずつ置かれている。
「遅れてすみません。決して忘れてた…」
右足を何者かに踏まれ、いや、もう見なくても誰かわかるのだが、
「すみません、完全に忘れてて遅れました。」
孔明は訂正を入れて謝る。
「えらいえらい。やっぱ男の子は素直じゃないと?」
「はい、そうですよね。」
痛みに顔を引きつらせながら愛とやりとりを行っていると…
バン??
急に飛んできた、パスを心地の良い音をたて孔明は受け止める。
そのパスされた「バスケットボール」を器用に指先で回し、そして
「なんですか?
…田渕先輩っい!」
全力のパスを投げ返した。
もーこれだからこの人は…。
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