(偽)謎解き編

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「無理がありますよ。だったら、死体になんならの仕掛けをして、体温を保持すればいい。それなら、誰にだって可能だ」  その方が現実味があると、ボクは苦笑しながら答える。 「そうかもしれない。では、子子子の殺害へ移そう」  嫩さんは続ける。 「子子子さんの殺害なんて、それこそ誰何クンには不可能ですよ…」 「そうでもないさ」  凛の言葉に、嫩さんはそう返す。 「子子子の死。第一発見者は最寄君だね」 「はい」 「子子子の死体を発見した君は、悲鳴を上げた。そこに駆けつけたのが、邪答院君だね」 「そうですよ」と、ボクが答える。 「その後、最寄君は食堂にいた僕を、呼びに来た」 「だから、無理じゃないですか。誰何クンは、物置に閉じ込められていたんですよ?」 「出来るさ。これも邪答院君の犯行で説明で出来る」  凛が首を傾げる。 「よく考えてみてくれ。君が悲鳴をあげた時、駆けつけたのは邪答院君だ。だが彼は物置に拘束されていた。外側から鍵を掛けてだ。これがどういうことか分かるかい?」  凛がしばらく考えた後、答える。 「扉を壊して、出てきたって事ですよね?」 「その通りだ」  凛がそれがどうしたのだ、といった顔をする。 「邪答院君は扉を破壊して君の元へ駆けつけた。これがどういうことかと言うと」 「物置の扉は、破壊できたと言うことだ」  嫩さんは、少し間を置いてから、口を開く。 「つまり、邪答院君を物置に拘束する。その後食堂で僕等が今後の事を話しているうちに、扉を破壊する。そして偶然現れた子子子を捕まえ、気絶させる。鍵を使って中に入り、部屋に置いてあるナイフで殺害。後は部屋を出て物置に戻り、扉を立てる」  嫩さんは凛を、そしてボクを見る。 「これなら、犯行は可能じゃないか?」 「そんな…。私は誰何クンが扉を蹴る音を聞いています。間違いありません!」  凛が声を荒げる。 「別に扉を蹴らなくとも、壁を蹴ればいいさ。そうだろ?邪答院君」 「…さっきから聞いていれば、どれも推測や憶測でしか無いじゃないですか」ボクは苛立ちながら答える。 「ボクはそんなこじつけの推理を聞きたいんじゃありません。ボクは証拠を教えろと言ったんですよ?」 「そう焦るなよ。ちゃんと証拠はある」 「だったら勿体ぶらずに教えてくださいよ」 「服」  嫩さんはボクの体を指差す。 「着替えたんだね」 「…だから何ですか、何か問題があるんですか?」 「あるだろう」
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